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Salut Alger 地中海の風に吹かれたい/猫と沙漠とアラブ馬 Roving in Saudi Arabia

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エミレッツ&オマーン合体遠征旅行  続き

第六日目(27日):
早朝5時にアラームがなり、5時半に浜へ出たらまだカメがいた! 
産卵を終えて、日の出前に海に入ってしまわなくては…というまるでシンデレラ状態のウミガメが2匹。こんなに間近で見られるなんて、ウソみたいだ。

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しかしながら、肝心の子ガメを見つけられない。私は親ガメの産卵よりも、子ガメのふ化の方が見たかったのに。わらわらと海を目指すベビーたちを想像していたのだが、実際には毎日少しずつだけふ化しているらしい。カモメがギャーギャーとうるさくするので、きっとそのあたりにいるのだろう…と思って近づいたら、小さい足跡だけを発見。ジグザグと歩いた後、ぷっつりと形跡が途絶えている。海まで辿り着くことなく、あっけなくカモメの朝食になってしまったらしい。自然の摂理とはなんと残酷なのだろう…。
子ガメを見るのは諦め、ゆっくりと朝食を取って、ゆっくりと片付ける。その間に隣のドイツ人一家は、さっさと出発してしまった。

コーストロードはどこまでも続く。村が多く点在しているのは予想外。朝の漁を終えて寛いでいるのか、オヤジたちが浜辺の小屋に集っている。

アサイラの町で右折して北西に走る。次の目的地は、バニブ・アリ。看板は出ているものの、どこにあるのか全く不明。あたりをぐるぐるしている間に、もう一つの名所バニブ・ハサンに出た。この近辺はもうこれで良しとして、先を急ぐことにする。

進行方向左手に、砂丘が見えて来た。ワヒバ砂漠だ。休憩がてら、ちょっとだけ上ってみる。赤っぽいオレンジ色の砂に、黒い砂も混ざっている。サウジの砂とは少し質が違うようだ。

国道にケーブと泉の看板を発見、行ってみることに。切り立った山中へ30kmほど入って行く。エメラルド色の川の流れが溜まっている場所があり、まるでミニチュア版付知峡という感じか。先の大雨で橋が流れてしまったらしく、右岸と左岸が繋がっていない。散策はヤメにして、ヤシの木陰でランチにする。周りの西洋人観光客たちも、同じようにヤシの木の下で休憩している。ここは観光地なのだ。なんて平和なアラブ世界なのだろう。

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下山後、どうしてもワヒバ砂漠へ行ってみたい夫は、DHにもらったウエイポイントからサンドバレーに入って行く。両側に砂丘を見て、なだらかな谷の道を進むと、その先には建設中のオアシスホテルあり。道を塞ぐように造られているが、無視して直進。その先は2台以上が必須という本格的な砂丘群だった。一つだけ丘を越えて、写真を撮ってハラースにする。
本当はワヒバでキャンプしたかったらしいのだが、このあたりは人が多すぎ。レース用のラクダを飼育する人たちが多く、夕刻の走りに出ている。

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4時半過ぎ、小高い岩山が見えて来たので、今夜のキャンプ地にする。国道から近いのに、うまく陰になっている場所があった。枯れ木を拾ってキャンプファイヤーの準備。すぐそばをラクダがゆっくりと通り過ぎて行った。



第七日目(28日):
昨夜は蚊がうるさくて眠れず、とうとう夜半過ぎにテントを引っ張り出して設営。それでもまだうるさかったけど、刺して来る気配もなく、目覚めに見たらテント内に2匹の蚊を発見。ムカつく。
ゆっくりと朝食を取り、片付けをして、8時半頃出発。なかなか良いキャンプスポットだった。

すぐ近くの町イブラは、素朴な田舎町という雰囲気。幹線道路には、ハンジャ(短剣)を腰に付けたお爺さんがヒッチハイクしていたり、中々の味わい。写真におさめられなくて残念だ。

マスカットへ戻り、グランドモスクへ行く。中には入らず、外観だけ撮影。とてもエレガントで美しい建物だ。

シーブの町の高速道路脇にマクドナルド発見、ランチにする。スポーツジャケットを着た女学生御一行さまと鉢合わせ。店内が姦しい。別に外国人が珍しい訳でもないらしく、私たちは話しかけられることも見つめられることもなく快適。

途中、バルカの町あたりで左折、北上してナハールの町と山岳地帯を目指す。ナハールの城塞は、パーム畑の向こうにそびえるユニークなもの。岩山の上に造られた城だ。お城フリークの夫は、迷わず見学することに。監獄、子供部屋、キッチン、接客室など、いろいろあって楽しめる。
見学後、写真をPCにダウンロードしている間に、ガイドブックで面白そうな場所を発見、行ってみることに。これでムサンダムには行かないことが決まったようなものだ。

ブループールという川の流れが溜まった場所を目指して川床を進むも、なかなか行き着けない。これは絶対におかしいよね…とガイドブックを読み直したら、全然方向違うし…。
一旦戻って説明通りに進むのだが、最近の大雨で水量が増しているのと、道が流されたのとでどうしても行き着けない。水しぶきを上げて進むのは快適らしい。ようやくガイドブック通りの場所には出られたが、それらしい場所には人がいたので、諦めて戻ることにする。

そして2つ目のワーディ。岩壁画があるという谷、村を抜けて何度もぐるぐるしてしまう。田舎の道は狭くて、まるで世田谷あたりを走っているような気になって来る。夕暮れで人が出る時間帯、目立つよなあ…。
やっとのことで谷に分け入る。5kmくらいは走っただろうかという地点に岩絵発見。オマーンにも岩壁画の谷があるのだ。
どこまで行くんだ…と思ったところで、またガイドブックを読み返してみる。城から2km地点に、はっきりしたものがあるんだって。ちゃんと読んでから進んでくれ! 

もう日暮れなのに、まだキャンプ地も探さなくてはいけないのに、お腹も空いて来たのに、一体どーするんだろうと思いつつ、夫はただ寡黙に運転するのみ。どうしてもシャムス山を目指したいらしい。今日はコーストロードへ出たかったのに、これでもう完璧にムサンダムには行けない。闇夜をガシガシと、幹線道路を外れて進む。ここら辺が良いかな…と思ったら煙が見えた。人が住んでいるのだ。ようやく枯れ木のある谷に平らな場所を見つける。やっぱりキャンプ地は明るいうちに見つけなくては。

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第八日目(29日):
今日がオマーン滞在最後の日。やっぱりシャムス山を目指すことに。
地図では舗装道路のはずなのだが、どうやら様子がおかしい。アルハムラという街を目指しているのに、看板さえ見つけられないのだ。
ラップトップを引っ張り出して、ライブで現在地を見ながら進むことにする。先進技術に感謝するのみ。ワーディに入って行くも、コンバーターが不調で、PCの通電だけでも許容量オーバーの警告音が鳴りっぱなし。なぜ? 
仕方がないので、とりあえずPCは無視、轍を追って進んで行く。山あり、谷あり、川あり、またまた激しいオフロード展開になってしまった。両側は崖っぷち、落差数十mというものだ。豪雨には道が流れて無くなるんだろうなあ…というような、想像を絶する急斜面にも、ちゃんとブルドーザが入り道として使えるようにはなっている。
一体どこまで行くのだろう…と、内心泣きたいほどの高度。こんなところで坂から落ちて死にたくないのに…と事故った時のことばかりが脳裏をよぎる。

ちょうど昼前、まるでここは天空の村か?というような高所にある村落とテラス(段々畑)に辿り着き、そこが道の行き止まりなのだと知ってほっとひと息。こんな秘境中の秘境にも畑を耕して人々が暮らしているのには驚き。電気も通っているし、物資の配達もある。オマーンという国の豊かさを見せつけられるようだ。
さて、シャムス山にはあと3kmと迫ったのだけれど、これ以上先には進めないし、時間もないしと、諦めて沿岸ソハールの街を目指すことにする。ガソリンはタンクに残り4分の1。良いタイミングだ。

途中、ラスタックの街にあるベーカリーでランチ用にサモサとピザを買う。
給油して、飲み水を調達、ビーチで食べようとの約束通り、海岸道路まで一気に走り着く。
湿度は若干高いものの、まだ暑すぎず、本当にいい時期にオマーンへ来られて良かった。ビーチにはカモメとカラスがいるだけという静かな浜だ。 
ランチを食べたビーチからソハールの街までは100km程度のはずなのに、街に近づくごとにロータリーがあって減速させられる仕組みになっている。なかなか行き着けなくて、ちょっとイライラ。

結局、エミレッツのフライジャ回りにするのは諦めて、ブライミ-アルアイン経由でアブダビへ出ることに。
オマーン側の国境は、ブライミよりかなり海寄りにある。
急な通り雨に、ルーフの荷物が濡れてしまった。今夜のキャンプはあり得ないと、内心ほっとする。
アルアインのエミレッツ側国境も、出国したのとは違う場所。どうやら、放射線状に伸びるどの道にも国境事務所があるらしい。それだけ通行量があるということか。

アルアインからアブダビに通じる国道22号線は、両側に砂丘が広がっている。前回通った時は夜だったから気づかなかったのだ。赤っぽいオレンジ色の砂、オフロードで遊ぶのにもってこいだろう。

アブダビへは暗くなってからの到着。途中、GPSでホテル検索をしてノボテルを目指した。
繁華街に入ってから何かイヤな予感がしたのだが、ホテルに駐車場がないのが分かり、とりあえず他のホテルを探すも駐車場がありそうな所に行き着けない。
もうやけっぱちで、何となくサウジ国境方面を目指して走る。モーテルはないとしても、途中でホテルくらいはあるだろうとの当てずっぽうな見込み、見つからなかったら車で寝たって良いか…と思い始めたら、ホテルの看板発見。ミルファという街で泊まることにする。
またまた飛び込みながら、ホテルはガラガラ。今がオフシーズンで本当に良かった。

ベッドに入ったのが午後11時半過ぎ。とりあえずは、今日のうちにホテル到着ができたわけだ。アブダビでトンカツとビールという当ては外れてしまったが、3日ぶりのホテル泊に心からほっとする。

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第九日目(30日):
昨夜遅くまで走ったお陰で、今朝はのんびりホテルで朝食まで取れる。夜が開けてみたら、ここはたいそうステキな海辺のホテルなのだった。アブダビからサウジ国境までのほぼ中間地点。部屋の窓から海が見える。お値段もノボテルより40%も安め。この次もここを利用したいほど、遠征旅行には最適な立地と予算だ。

国境までは約2時間半。途中、私も運転、エミレッツからサウジに向かう交通量は恐ろしく少ない…。

エミレッツ側国境のイミグレーションでピンクの用紙の出国カードに記入、出国手数料を払ってハラース。サウジ側も長蛇の列のトラックを脇に見て、さっさと通過できてしまった。サウジ側に入った途端、ガソリンスタンドも汚くて、あー、戻ってきたんだと実感する。

あとは本当にターマックをひた走って、リヤドに戻るだけ…と、思っていたのは私だけで、夫は急に「ちょっとオフロードで走りたい」と、舗装道路を外れて行く。
あのー。
一台だけですが、平気ですか? 
一度目は大丈夫だったけど、二度目は砂地にスタック。
フラットスタンの写真を撮っててこのザマだもの。舗装道路脇5m。勘弁してよ! 
砂を掘る、サンドラダー、エアージャッキ、ディフレーターと、手持ちのモノを全部試し、結局タイヤをディフレートしてことなきを得る。だったら最初からそうすれば良いのに。
私は言われた通り、エアコンの効いた車内でじっと見守るのみ。

途中、ハラッドのガソリンスタンドで給油しようとしたらサラー。ここのガソリンスタンドには、なぜかいつもサラーの時間にしか辿り着けない気がする…。
ちょうど良い休憩時間を過ごし、一路リヤドへ。

夕陽がまぶしくなってきた頃、列車が走っているのが見えた。貨物をたくさん引っ張っているせいか、こちらより速度が遅いから、追い越し際にシャッターを切りまくる。今回はゼーッタイに列車の写真を撮るのだ!と思って、カメラを持ったままうたた寝もせずにいて良かった。鳩タワーの写真も撮れたし、まずまずだな。

暗くなってからの帰宅。リヤドの夜景を楽しみながらのドライブもまた良いものだ。
オマーンは予想外に面白くて、まあ、終わりよければ全て良しという旅か。

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by maadienne | 2007-04-01 21:20 | Hijaze-vous?

2003~2007年サウジアラビア生活体験日記と沙漠の旅ログ& 2012年~アルジェリア幽閉生活徒然日記


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